森へと繋がるひとつの「入口」
Wasserの森のすぐ近くで、ひっそりと佇む一軒の家に出会いました。
長い時間を過ごしてきたその家は、静かに、次の役割を待っているように感じました。
すぐ近くを流れる小さな川。
その音に耳を澄ませていると、ここから何かが始まるような気がしました。
まだ何も決まっていませんが、
この場所は、森へとつながるひとつの「入口」になるかもしれません。
コテージ再生のはじまり
Wasserの森の近くにある小さなコテージ。
ご縁に導かれるように、この場所を引き継ぐことになりました。
そして今、このコテージを「体験型のリノベーション」として少しずつ再生していくことになりました。
関わってくださる方々も、とても不思議な流れで繋がっています。
元の持ち主のご家族、
この地を知る人、
そして新たに創り手として関わる人。
さらに、使われずに眠っていた石ブロックも、この場所で再び命を吹き込まれることになりました。
すべてが、必要なタイミングで集まってきています。
このコテージが、どんな姿に生まれ変わっていくのか
その過程も含めて、大切に育てていきたいと思います。
そしてこの場所を、
**「River Cottage」**と名付けました。
すぐそばを流れる小さな川とともに、この家もまた、静かに巡っていきます。
この場所の声を聴く
Wasserの森の近くにある、小さなコテージ。
私は「どう綺麗に直すか」を考えていました。
しかし長谷川さんは、「この地がどう在りたいか」という視点でデザインを描いてくださいました。
長谷川さんにデザインをお願いしました。
返ってきたのは、建物の設計図というよりも、この場所に流れている時間や気配を、そのまま写し取ったようなスケッチでした。
人が手を加えることで整えるのではなく、もともとある流れに、そっと重なるように。
ここは人を迎える場所であり、同時にエネルギーを整える場所でもあります。
これから少しずつ、このイメージを現実に重ねていきます。
River Cottage(草木庵)リノベーション第一章 vol.1
モルタル造形教室 2026年6月20日・21日
River Cottage(草木庵)のリノベーションに先駆けて、KTアーツの塚田さんを講師に迎え、2日間のモルタル造形教室を開催しました。
一つのモルタルから、木や石、レンガ、鉄へと姿を変えていく不思議な世界。
参加者の皆さんは塚田さんから技術を学びながら、それぞれの感性を活かして作品づくりに挑戦しました。
同じ材料を使っているのに、出来上がる表情は一つとして同じものがありません。
石積みの壁。
古いレンガ。
風化した木材。
時を刻んだ鉄の金具。
まるで長い年月を重ねてきたかのような質感が2日で生み出されていく様子に驚かされました。
ランチタイムには、モルタル造形家、建築デザイナー、造園家、木工家、企業家など、様々な分野で活躍する方々が一つのテーブルを囲みました。
River Cottageの未来の話。
森の話。
ものづくりの話。
会話が弾む中で、新しい出会いが生まれ、新しい仕事が繋がり、新しい可能性が広がっていきます。
実際に施工を担う渡部さんが草屋根づくり経験者と繋がり、伐採を担当する中村さんとも交流が生まれるなど、River Cottageを中心に人と人との輪が自然に広がっていく姿はとても印象的でした。
古い建物を再生するだけではなく、人の想いと技術が集まり、新しい物語を紡いでいくプロジェクト。
そんな第一歩となる一日でした。
River Cottage(草木庵)リノベーション第一章 vol.2
森を写し取る壁づくり
モルタル造形教室の合間に、River Cottage(草木庵)の壁塗りの試作を行いました。
ベースとなるのは、モルタルに昨年の稲刈りで収穫した藁を細かく刻んで混ぜ込んだもの。
そこへ、Wasserの森から集めたドングリ、松ぼっくり、枝、葉っぱなどを埋め込みながら、皆で自由にアイデアを出し合いました。
「これを入れたらどうだろう?」
「その発想、面白い!」
「こっちの葉っぱも良いかも!」
次々と飛び出すアイデアに歓声が上がり、気が付けば皆が夢中になっていました。
壁を作るというよりも、森の記憶を閉じ込めていくような時間。
完成した試作品には、自然の素材が散りばめられています。
昨年育てた稲の藁。
森に落ちていた木の実。
風に揺れていた葉。
それぞれが、この場所で育まれてきた時間の証です。
草木庵の壁は、ただ美しく仕上げるための壁ではなく、この森と共に生きる建物であることを表現する壁になりそうです。
どんな壁が生まれるのか。
皆で創りながら、少しずつ形になっていく過程そのものを楽しんでいます。
River Cottage(草木庵)リノベーション第一章 vol.3
草木庵の壁が生まれた日 2026年6月21日
モルタル造形教室の興奮が冷めやらぬまま、皆でRiver Cottage(草木庵)へ移動しました。
「せっかくだから、実際の壁にも塗ってみよう!」
そんな一言から始まった壁塗り。
モルタルに、昨年の稲刈りで収穫した藁を細かく刻んで混ぜ込み、コテージの外壁へ塗っていきます。
最初は試し塗りの予定でした。
ところが、一度塗り始めると面白くて止まりません。
「この質感いいね!」
「草屋根と合いそう!」
「もっと塗ってみよう!」
いつの間にか皆が夢中になり、気が付けば夕暮れまで作業を続けていました。
無機質だった外壁が、藁の繊維をまとった柔らかな表情へと変わっていきます。
その姿は、長谷川さんが描いてくださった草木庵のスケッチを思わせるものでした。
草屋根。
藁を混ぜた壁。
森に包まれた小さな庵。
少しずつですが、確かにその世界が形になり始めています。
何より嬉しかったのは、皆が楽しそうだったこと。
「もっと塗っていたいね」
そんな声が自然に出てくるほど、夢中になれる時間でした。
草木庵は、誰か一人が作る建物ではなく、関わる人たちの想いと手仕事が積み重なって生まれていく場所なのだと改めて感じた一日でした。
夏至の日に始まったこの小さな挑戦が、どんな景色へと育っていくのか楽しみです。
River Cottage(草木庵)リノベーション vol.4
7月8日。
この日は、モルタル造形家・塚田さんが塗り壁のサポートに来てくださいました。
外壁は藁入りモルタルを塗った後、シーラーを塗布し、白・黄・茶色の塗料をブレンドしてこのコテージだけの色を作り、それを塗り、自然に溶け込む、やさしい風合いの外壁へと仕上げていきます。
藁入りモルタルは、その都度、藁の量やモルタルの硬さが少しずつ違うため、壁の表情も毎回変わります。デコボコになったり、色にムラが出たりすることもありますが、それも自然素材との対話の中で生まれる、その日だけの風合い。
完璧を目指すのではなく、自然がつくる表情を愉しみながら、少しずつ育てています。
内壁には、この地域の黄色い火山灰と白モルタルを調合したオリジナルの塗り壁を施工。
この土地の土を建物に取り込み、自然と建築がひとつになる空間づくりが始まりました。
この日はRiver Cottageの元オーナーの息子さんも参加してくださり、
ご自身が大切にされてきた建物の外壁を、一緒に丁寧に塗ってくださいました。
ランチはWasserの森の母屋へ移動し、近くの「四季のお惣菜 むすび野」さんのお弁当を囲みながら、楽しいひとときを過ごしました。
さらに塚田さんのご友人ご夫婦も合流。ご主人はポーランド出身です。




























